2012年8月27日月曜日

マンガ「羣青」の最終巻が思いのほかにすがすがしかった件

私マンガめっちゃ好きでよく読むんですが、
「羣青」というマンガの最終巻がなかなか出ないなーと思ってたら、
実はとうの前に出ていて、超わくわくしながら読んでたら、
やっぱり面白かったので、紹介。

このマンガは、旦那のDVと浮気に悩まされた女が、
女子高時代に自分にずっと片思いしていた、レズの同級生に
自分の旦那を殺してもらい、
なぜか二人で警察から逃避行するって話です。

話の雰囲気的には、桐野夏生の「OUT」とかをイメージして頂けると近いと思われる。
だから、やっぱり読むたびにHP削られるのよ、ほんとに。
「人間ってこーなんだ!」みたいな、全くきれいにパッケージングされてない、
むき出しの何かをつきつけられる。そして、えぐられる。
上巻、中巻、下巻の途中まではそんな感じだったんだけど、
下巻最後で、ふっきれたようにすがすがしくなった。

「レズ」とか、「旦那殺し」とか、けっこうセンセーショナルなキーワード多いだけに、
好き嫌いがわかれそうなマンガなんだけど、
実際、作者が伝えたかったのは、けっこう普遍的なことなんじゃないかと思う。

「幸せって」とか「家族って」とか、「他者との理解」「自分と違うものへの差別」とか。
「理解と差別は似てるから」ってセリフがとても印象的。
でも、実はよく意味をわかっていないと思う。

この作者の中村珍さんは私と同じ1985年生まれらしいんだけど、
この年でこんな人生観、価値観を確立してる作者はどんな壮絶な人生を経験、
見てきたんだろうなあ。