2011年9月8日木曜日

CEDEC「東アジアにおけるオンラインゲーム・SNSの市場動向」レポート


横浜パシフィコで行われている、CEDECに来ています。
グリーの田中社長の出るセッションの裏で行われた、表題セッションを聞き、
それが非常に勉強になったので、メモ程度ですが共有します。

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■東アジア進出時の注意点
海賊版対策が大きな課題。
オンラインゲームはコピーしやすく、進出はかなり難しい
また、既に、欧米、他アジア企業が多く進出しているため、レッドオーシャン。

■facebookユーザー数に関して
ベトナム、中国は閲覧規制あるためユーザー数少ない。(逆に言うと、欧米企業も入りづらいのでブルーオーシャン?)
インドが近いうちにインドネシア抜くことが予想される。
(セッション中で出てきたわけではないのだが、以下URLの国別fbユーザー数は以下URLを参照。
http://www.checkfacebook.com/)

■アジア各国市場の概要
/日本と同じようなサービスを受容できるだけの市場があるのは、シンガポール、韓国、台湾、マレーシア
/人口が多く、貧富の差が激しい反面、富裕層も多い、中国、インド(インドネシア)
/成長が続いており、現状の市場は小さいが今後の成長が期待できるタイ、ベトナム、フィリピン

■アジアのオンラインゲーム市場は日中韓が主戦場
/中韓は進出の説得はしやすい。ASEAN各国はすべて会わせた市場規模も1000億円程度とモバゲータウンよりも額が少ない状況
/中韓はオンラインゲームにおいて、「規制」と「競合」が強すぎる
→中国においては結局中国国内企業が国外企業に勝ってしまう。

■中国のオンラインゲームのARPU(月額)
4900億円÷3.1億人(課金:1.1億人)=1600円(課金者ベース:4800円)
単価が安いため、アイテム課金が前提にユーザーを集めることが最大のポイント(月500円以下のユーザーが全体の70%程度を占める)
→いかに多くのユーザー基盤を持つSNSと太いパイプを持てるかが勝負の分かれ目
→何を武器にそのSNSと交渉するか
→携帯電話の実績、中国での人気作品、日米中の実績・ブランド、中国での実績
/豊富なユーザー基盤(ユーザー数が多い)を持つ企業が売り上げ額ランキングの上位を占めている

■第二の中国を探せ
インド、インドネシアは中国なみに旧劇に市場拡大が期待できる。

*参考
SUZUKIのように、確実に成功できる市場に貼っておくのも一案
競合が弱い間に圧倒的な地位を気づけば、いつか市場がおいついてくるかも。
SUZUKIはアジアだけでなく、ハンガリーのシェアもかなり多い

■韓国のオンラインゲームのARPU(月額)
2700億円÷0.2億人=11400円
人口5000万人なので、若者人口を考慮してもこれ以上ユーザー数が増えることは期待できない→課金率をいかにあげるかがポイントになる。
/PCオンラインゲームは韓国企業の独断場
国内の開発事業者の買収も進められており、海外事業者が入りにくい状況
日本の高いコンテンツ力を持ってしても厳しい現状。

*参考
/インドネシアのモバイルトラフィック量:
ブラックベリーのそれはアップルの4倍、ノキアの6倍
/スマフォ市場には各国企業の進出は遅れている→denaの韓国進出に期待

■第二の韓国を探せ
ユーザーあたりの利用金額はユーザーベースで
タイ:月額1280円、ベトナム:月額1300円
(課金者ベースでいくとさらに額はあがる)

ユーザーあたりの利用金額は課金者ベースで
タイ:月額1280円、ベトナム:月額1300円

→課金者率をいかに増やしていくかが肝

■オンラインゲームの良い点
/パッケージ販売と異なり、地域性にあった価格設定を随時行える
/在庫を持たない分、リスクを低くチャネルの拡大ができる

■東アジア進出の際の懸念点
/海外市場がわからない、ローカライズが手間
/1000億円にも満たない市場で売り上げは期待できない
/現地と交渉できる人間が少ない
というような初動的ミスをくりかえし、中韓企業に遅れをとってしまう

■ネット人口
インド:9000万人内モバイルが3000万人
インドネシア:5000万人

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補足、修正など気づかれた方はおっしゃっていただけると嬉しいです。